DESIGNER

秋山 航平
2019 入社
共感形成のファーストペンギン

- 手紙からロボットまで
- 入社してすぐのころは、リクルートのポスターや部のグリーティングカードといったグラフィックデザインに自由なやり方で取り組めたことが心に残っています。現在、産業ロボットをはじめとする、様々なFA(ファクトリーオートメーション)機器のデザインを手掛けています。また、車載表示器のUIデザインの機会もあり、広義な意味での”プロダクト”デザイナーとしての道を歩めているのかなと思っています。また、こうした様々な領域の経験や挑戦が、日々のデザイン業務へのモチベーションになっています。

- 実証と共感をつくりあげるモックアップ
- まだまだ駆け出しのデザイナーですが、そのぶん自由なプロセスで業務を進められる中で、まず”かたちにする”ことを心がけています。さらに、そのモックがデザイナーだけが検証するためのツールではなく、デザイナーの想いを実証し、プロジェクトにかかわるすべての人にある種の”共感”を生むものになるよう努めています。設計者や企画者、社外パートナーをはじめとした非常に多くの人が携わる中で、デザイナー視点の理想論だけでモノづくりを進めることはできません。しかし、製品に関わる人が同じ価値を感じ、同じ景色を目指すための第一歩をデザイナーが踏み出すことは出来ると思っています。そのために、実証と共感に必要な機能を見極め、様々な手段を用いてモックアップをかたちにするところから、私のデザインは始まっていきます。

- 目の前のことに精一杯だった学生時代
- 普通科の高校で勉強する傍ら、モノを作ったり、絵を描いたりすることが好きで、その延長で大学のデザイン専攻に進み、漠然と真面目にしていれば何とかなるだろうの精神で歩んできたような気がします。しかし、その途上で、芸術一筋で生きる人が持つ(と私が思い込んでいる)形容しがたい「ユニークさ」や「センス」に憧れ、同時にその素養が足りていない自身への歯がゆさがありました。そこから目を逸らすように、大学時代は授業課題に熱心に取り組み、色彩検定などの資格取得やプログラミングの勉強など、与えられた課題を丁寧にこなすことに執心しました。いちデザイン学生として「ユニーク」では無かったかもしれませんが、そうして丁寧に積み上げた結果を 評価して貰えて、今楽しくデザインができていると思っています。同じ悩みを感じる方もいるかと思いますが、目の前の課題の積み重ねの先に、実は自分の居場所があったりするのかなと思っています。

- 同じ人がいない組織
- 誰一人として似たような人、同じような人がいない組織だと感じています。人それぞれにデザインプロセスがあり、大切にしていることが違っていて、組織の全てのデザイナーから、それぞれ全く違う学びがあります。しかし、その人だからその仕事といったように業務が属人化しているわけではなく、経験の有無に関わらず、やりたいデザイン領域に挑戦できる風土があり、自分なりのやり方で、新しい実績を切り開いていくことが出来ます。こうやって、組織のなかで、自分がどうありたいかをデザインできる職場なのかなと思うと同時に、自分もこれから5年後、10年後の姿をデザインしていきたいと思いながら日々を過ごしています。

- 信頼が生まれる瞬間
- BtoB企業のデザイナーということもあり、エンドユーザーの声を聞く機会が少なく、業務が終わったのち、「誰のためのどんなデザインだったか」を振り返ることが結構難しかったりします。ただ、「誰とどんなデザインをしたか」は強く心に残っています。事業部の設計者が相談しにきた設計段階のたたきを整えて、スケッチや3Dレンダリング、モックアップで見せたとき、いつも感動や驚きのことばを頂けます。彼らの想いやその先をかたちにできることが嬉しく、設計者とデザイナーの間に信頼やリスペクトが生まれる瞬間は私のデザインのやりがいの一つです。私たちデザイナーは技術のプロではなく、今までは設計されたものを丁寧に整える仕事が多かったです。しかし、昨今では、彼らと協働して新しい価値の創出に携わることも多くなり、お互いに信頼できる人と一から仕事をできることに楽しさを感じています。
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2021.11.02