[デザイナー自己紹介]
宮井智尋2021.12.27

  • 目次

最先端の領域をデザインする

私は2014年に入社後、車載HMIの業務に携わってきました。最先端のADAS機能や自動運転機能といった、まだまだユーザにとって馴染みのないものを、運転中でも迷わず分かりやすく伝えるためのデザインに取り組んでいました。その他にも、飛行中の視認性を高めるドローンのCMFデザインやASEANで好まれるデザインを現地でリサーチするなど、幅広い業務を担当してきました。2019年からは先行デザインに携わっています。関心領域を自主的に提案できるためやりがいがあります。今はVRやメタバースによる新しい移動の嬉しさを検証しています。交通事故ゼロや環境負荷ゼロなどマイナス→ゼロを極める製品が多い会社の中で、その先の、人に嬉しさや幸福を感じてもらえるゼロ→プラスの価値創出を探っています。

※ADAS Advanced Driver-Assistance Systems 自動ブレーキや車線キープ機能の総称

可能な限り利用環境に近づけて検証を行う

私はデザインの検証を行う際には、製品やサービスが実際に使われる環境をできるだけ再現することが重要だと考えています。最先端の領域だと、完全自動運転のような今は体験できない機能を想像しながら開発を進めることが多いため、できるだけリアルな体験にする工夫が必要です。
最近ではVRを用いた検証を多く行っています。自動運転の無人バスの検証を行った時には植木や道端のベンチ、通行人、通行車両、有人バスなど、様々な要素を増やしました。これは、デザインした対象だけがVRの世界にあると、体感する人の意識がそこにフォーカスしてしまい、対象を正しく評価できなくなるからです。
この時は、被験者の方から「有人バスを無人バスと勘違いしてどっちに乗るか迷った」といったコメントがあり、やはり利用環境に近づけることが重要だと感じました。

誰でも使える未来の製品に取り組んだ学生時代

大学では、プロダクトの研究室に所属しながら、インタクションデザインやタンジブルユーザインターフェースに関心を持ち自主的に学んでいました。私は最先端のデバイスやガジェットが好きだったのですが、知り合いの年配の方がデジタルカメラの操作に難儀しているのを知ったことをきっかけに、未来の技術による製品が誰でも使えるようなものになるためにはどうしたら良いかと考えるようになったためです。
デザインする時には、技術動向を把握したり、既存製品を分解して機構を学んだり、プロトタイピングでの体験の検証をしたりすることで、夢物語ではないリアリティのあるものを描くことを意識していました。

正直に言うと、私は入社するまで自動車免許を持っていなかったくらい、学生時代は自動車に関心がなかったです。ですが、デザイン部による会社説明会を聞いた際に、ロボットや自動運転車と言った未来の製品について誠実に考えることができそうな組織と感じたことが入社のきっかけとなりました。また、入社後も1年先2年先の製品開発のプロジェクトだけでなく、10年先のサービスや会社の将来を考えるプロジェクトに関わることができており、この会社を選んだことは間違っていなかったと感じています。

プロフェッショナルにもジェネラリストにもなれる

デザイン部ではプロジェクト制という他チームのプロジェクトに自由に参加することができる制度を採用しているため、興味があればどんなプロジェクトにも手を上げることが可能です。また組織全体に、本人が関心を持ってやりたいと思うことをサポートしよう、と言う風土が強くあります。私も若手の頃に「今回は定量的なリサーチが重要じゃないか」と提案した所、プロジェクトリーダも上司も「是非やってみよう」とGOサインを出してくれて、後方からサポートしてもらった経験があります。

自分の持つ専門性を様々なプロジェクトで活かし深めるプロフェッショナルになることも、プロジェクトごとに様々な役割をこなし、専門性を広げるジェネラリストにもなれる組織だと思います。

自分の考えたものが波及していく喜び

量産製品をデザインしていた時、ふと技術者のいる開発フロアへいったら何十人もの方が私がデザインしたものを元に仕事をされているのを見てとても驚きました。事前に社外パートナーも含めて何百人もその開発には携わっているとは聞いていたのですが、実際に目にした時の衝撃は大きく、自分の仕事の重要性とやりがいを強く感じました。製品の発売後も、街中で自分が関わった車両を見かけるとつい見に行ってしまったり、どんな人が乗っているんだろうと気になったりします。
また、デザイン部にいると、若手の頃から役員と話をする機会が多いです。自分の提案がデンソーという大勢の方が働く会社のトップ層にまで届き、提案次第では会社全体の方針へ影響を与えることができると言う点にとても魅力を感じています。