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デンソーの将来のモノづくりの姿(ビジョン)と、それを伝える映像をデザインしました。
デンソーは、創業以来70年のモノづくりの歴史の中で、ロボットによる自動化、ロボットと人の協働による生産の効率化を進めてきました。今後の労働人口の減少や、さらなる職場安全の向上を踏まえた、将来の働き方、あるべきモノづくりの姿とは何か?デザイナーがエンジニアと喧々諤々の議論をして、その将来像をカタチづくっていきました。
生産現場は完全無人化され、ロボットが自律的にモノづくりを進めます。人の存在を前提としないため、照明や空調、安全設備やスペースが不要となり、高密度高効率かつ安全で環境にも優しい生産工場をイメージしました。ロボットは、この現場で汎用的に作業を進めるにあたり、最適に「進化した」姿を想像し、双腕の自律走行ロボットがチームで仕事をするコンセプトを描きました。あらゆる生産情報がデジタル化され、バーチャル上で再構築されるデジタルツイン環境が人の職場になります。どこからでもバーチャル工場とデジタル情報にアクセスし、データを駆使してより創造的な仕事をすることが、将来の人の働き方になります。映像の前半は、よりクリエイティブに働く人の姿を明るいトーン、後半はその環境とテクノロジーをイメージさせる暗めのトーンで表現し、2つの対照的な世界観を描き分けています。
また、サウンドエフェクトと音楽を混ぜ合わせてBGMを作ることで「ピピ」「ウィーン」のような操作音や機械音も音楽の一部であるように聞こえるようにサウンドデザインし、より没入感が増した映像になっています。従来の様にただ背景で流れるBGMではなく、世界観やビジョンをより引き立てる"楽曲"としてサウンドデザイナーの方と協業出来た事を嬉しく感じます。
映像制作にあたり、構想した世界観やコンセプトのビジュアルを想像しながら、それを伝えるシナリオの作成から始めました。まずは言葉で表現することで、映像イメージを具体化し、チーム内で共有・検討することが可能になります。続いて、ストーリーボードや絵コンテに落としていき、ライティングなどより詳細を検討していきます。部品の組付けシーンにリアリティを出すために、部品の設計者に実物を持ってきてもらい、実際に何度も組付けの動作をしながら、ロボットが組み付ける動きを考えていきました。
また、ロボットのアーム部分は、すでに製品化されている「COBOTTA PRO」をベースにすることでリアリティを確保していますが、アームが取り付く車体部分やアームの設置位置や角度などは、製品や設計が存在しないため、3Dプリンタで模型を作り、アームの動き等を確認しながらそのデザインを決めていきました。リアルで検討できることは、できるだけリアルで検討することで、映像にリアリティが宿っていくと思っています。
Member
Project Management: Yuji Tsuchiya
Project Lead: Yuki Yoshioka
Art Direction: Yuki Yoshioka
Product Design: Akira Okamoto, Kohji Ohyama, Kohei Akiyama
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