デンソーのカーボンニュートラルに向けた取り組みを発信するために西尾製作所のエネルギーマネージメント実証スペースをデザインしました。
デンソーが取り組むカーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、デンソーの生産工場である西尾製作所にエネルギーマネージメントの実証施設が開設されました。DENSO DESIGNは空間デザインおよびコミュニケーションデザインを担当しました。
実証スペースにはSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)・太陽光発電パネル・V2G(Vehicle-to-Grid)・蓄電池などが配置されており、太陽光で発電した電気を貯めたり、都市ガスから電気を作ったり、夜間や雨の日は貯めた電気を使ったりするなど、気象や工場の稼働状況に合わせて最適なエネルギー状態に管理するシステムが運用されています。
リモートでできることが多くなった今だからこそ、この場所に足を運んでくださる方には、リアルならではの体験を提供する、ということを意識してデザインしました。また、ニュースリリースやメディアの記事でご覧いただく方にも、事業のブランドである「DENSO Carbon Neutral Solutions」を印象付けられるように意識しています。
西尾製作所でカーボンニュートラルに向けた取り組みを進める象徴となるように、白を基調にして実証空間を周囲の環境から浮かび上がらせつつ、グラフィックと植栽を織り交ぜながらも、システムの主役であるSOFCが目を惹くように設計しました。
また、メディアに取材いただく際に「どのようなアングルから写真や映像をとられるか」「伝えたいメッセージが伝わるにはどのような構成が良いか」といったことも考慮し、配置を検討しています。
また、DENSO DESIGNは空間だけでなく、訪れる方にエネルギーの流れや仕組みを説明できるプレゼンテーションシステムを作りました。UXの視点で「訪れる方のストーリー」を描くことから始め、タブレットや固定サイネージを用いた体験をデザインしています。説明員が会話で説明しながら、マザー端末を操作することにより、技術説明の動画を流したり、タブレットでリアルタイムに発電・充電量やエネルギーの状態が見えるように適宜切り替えることができます。またエネルギーの流れは一部複雑な箇所があるため、俯瞰や斜めからのアングルに視点を変更できるようにしています。
リアルタイムな臨場感を感じていただくため、エネルギーの流れを示すシーンでは実写映像を使用しました。天気によって発電量が変化することを伝えるために、曇りや雨といった気象に合わせた変化を見せられるようにしています。実写映像の撮影では、建屋の屋上や廊下など適したアングルを撮れる場所を探し、最終的には男子トイレの窓からのアングルが最も適しているということで、そこから撮影した映像を使用しました。
訪れる方にシステムの導入を検討してもらうためには、メリットを明確に伝える必要があります。UIにおいては、情報の選別が大切です。すべての情報を表示してしまうと複雑になり、伝わらないものになってしまいます。こういった製品に馴染みがない方にも技術の良さが伝わるように、情報を整理することを心掛けてデザインしました。
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Creative Direction: Yuji Tsuchiya
Project Management: Yuji Tsuchiya
Project Lead: Tasuku Matsumura
Art Direction: Tasuku Matsumura
Graphic Design: Tasuku Matsumura
UI Design: Yuki Yoshioka,Takafumi Tomono
Space Design:Shohei Yamashita,Takafumi Tomono
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