DENSO Carbon Neutral Solutions2024.03.07

「カーボンニュートラル」というテーマのもと、個別の製品・システムを束ねて、総合的なソリューションとしてブランド開発を行いました。

点から面への情報発信

デンソーは、カーボンニュートラル*社会の実現に向けて、さまざまな技術やソリューションの開発を続けています。一日も早く実現するために、まず自社をカーボンニュートラル化しながら、その仕組みを社会に還元することが大切だと考えています。これは、モノづくり業界をはじめ様々な方と協力して進めていく必要がありますが、デンソーはカーボンニュートラルの技術や製品を提供する企業と認知されていない状況でした。

認知づくりの効率を高めるために、点ではなく面で情報発信する必要があると考え、提案したのがブランド活動の始まりです。水素や都市ガスなどから電気を作るSOFC、電気から水素を作るSOEC、空気中の二酸化炭素を回収するDACなどのコア製品群に加え、オフィスや工場など設置環境に合わせてその他のシステムも組み合わせて最適な構成を実現できることに、強みがあることが見えてきました。総合的なソリューションとしてコミュニケーションを図り、デンソーのブランド価値を生かすマスターブランド構造を採用しました。

* カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること

ブランド価値を活用する

デンソーのブランド価値はインターブランド社が毎年発表するランキングによると1600億円程と試算されています。独自調査では自動車業界外でもある程度浸透していることが見えたことに加え、デンソーのブランドイメージとカーボンニュートラル事業の期待イメージは親和性があったため、価値の移行をスムーズに行える表現を意識しています。

想定している顧客やステークホルダーは、カーボンニュートラルに取り組みたいけど具体的に何から始めればいいかわからず悩んでいる方が多い、ということが調査から示されていました。DENSO Carbon Neutral Solutionsという名前は、長いですが読んでいただければ中身がわかる名前です。「デンソーがやっているカーボンニュートラルです」と素直な看板を掲げ、お声がけいただけやすいようにしました。最終的には北米デザイン拠点とディスカッションし、グローバルに浸透しやすい名称としました。

コミュニケーション表現

環境への貢献を訴求するには、自然のマテリアルだけで構成する方法もありますが、本案件ではステークホルダーとの接触が限られる中で、しっかりイメージを蓄積していただくために、緑を全面に見せる配色としました。

製品はオフィスや工場など様々な場所に設置されても馴染むデザインとして設計され、プロモーション要素は製品を取りまく壁やバナーなどで表現し、製品を際立たせるように分離しています。製品にはマークを付与して、ブランド価値の移行を行いやすくしています。マスターブランド構造におけるマークの試作を重ね、デンソー固有のデザイン言語であるDクロスを分解・再構成したバリエーションの中から「社会、デンソー、パートナーが共創・共鳴して社会のカーボンニュートラルを実現していく」という私たちの想いを表現できるものを選び、作成しました。

2023年よりグリーンファクトリーエキスポ東京やジャパンモビリティショーへ出展したり、西尾製作所や広瀬製作所などに実証空間を作り情報発信を行ったりするなど、継続的な活動を行っています。